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ローラーチェーン「引張試験」の基準、試験方法と応用

引張試験は重要な試験項目であり、チェーンの品質を判断するだけでなく、チェーンの材料、熱処理、部品、組み立てなどの欠陥があるかどうかを判断することもできます。

一、引張試験の方法

ISO 606(Short-pitch transmission precision roller and bush chains, attachments and associated chain sprockets)基準によると、引張試験の焦点は下記の通りです。

  1. 引張強度をテストするチェーンは、少なくとも5ピッチの長さである必要があります。
  2. 試験時には、チェーンと引張試験機の間の接続は、チェーンリンク面とチェーン中心線の両側で自由に動くことができる固定具で接続されています。
  3. 試験中、引張力はゆっくりと加え、速度は50.8mm / minを超えてはなりません。
  4. 引張力が増加すると、チェーンは同時に伸び、チェーンを切断する最大の引張力が発生します。それは 最大引張強です。その他にも、応力/伸びの図面(force/extension diagram)からも応力曲線の最高点はチェーンの最大引張強度と判断できます。 
  5. チェーンと固定具の接続部分で切断した場合、無効なテストとはんていできます。
  6. 引張試験は破壊試験です。チェーンの外観に損傷がない場合でも、試験したチェーンサンプルを使用しないでください。



二、引張試験の基準

溶接チェーンとプラスチックローラーチェーンを除いて、チェーンの国際基準はほとんど引張強度を規定しています。主な国際基準は下記の通りです。

  1. ローラーチェーン(Roller chain):ISO 606、ASME B29.1、JIS B1801。
  2. ダブルピッチローラーチェーン(Double pitch roller chain):ISO 1275、ASME B29.100、JIS B1803。
  3. リーフチェーン(Leaf chain):ISO 4347、ASME B29.8、JIS B1804。
  4. バイクチェーン(Motorcycle chain):ISO 10190。
  5. ステンレスローラーチェーン(Stainless steel chain):ASMEB29.21だけで ステンレスチェーンの引張強度を規定していますが、他の基準には炭素鋼/合金鋼のローラーチェーン、ダブルピッチローラーチェーン、リーフチェーンだけの引張強度を規定しています。同じサイズで比較するとステンレスチェーンの引張強度は一般的に炭素鋼/合金鋼のチェーンより低いとのことです
  6. 以下は、ISO 606、JIB B 1801とASMEB29.1で基準されているローラーチェーンの引張強度基準とMCCチェーンの平均引張強度の比較表です。

ISO 606、JIS B 1801、ASME B29.1ローラーチェーンで基準されている引張強度:
単位 (kN)25354140506080100120140160180200240
ISO/JIS3.57.96.713.921.831.355.687.0125.0170.0223.0281.0347.0500.0
ASME3.477.836.6713.921.7131.2755.686.87125.1170.27222.4281.47347.5500.4
MCCチェーンの平均引張強度
4.4110.2911.7618.1330.3843.1276.44112.7147.0196.0274.4372.4470.4671.3

三、MCC引張試験機の紹介

  1. 引張試験機は油圧と電力で駆動します。 強度は油圧または荷重変換器(load cell)にてその引張強度を測定されます。 MCCには2台の新しい引張試験機を設置している。 1台は200トン(2000kn)の水平引張試験機で、もう1つは20トン(200kn)の垂直引張試験機です。 どちらにも、ローラーチェーンとリーフチェーンの一般的な機種を全部テストできます。
  2. 両方ともコンピューター制御の最新モデルです。試験する際は、張力と伸び(応力/伸びの図)、弾性限界、降伏点などのデータの関係を表示することもできます。また、テストの速度、変位、負荷率などを設定することもできます。すべての試験記録をデータベースファイルに保存することができる、品質管理と製品性能の向上には大幅に役立ちます。


四、引張試験の応用と利点

1. チェーンの品質と強度を確保します。

2.引張試験結果に異常が見つかった場合は、原因を分析して改善することができます。一般的な原因は下記の通りです。

  • 材料:標準に達しないの素材、間違った材料を使用しています。
  • 熱処理:誤った熱処理条件、異常な熱処理装置。
  • 部品:プレート穴の打ち抜き位置がずれており、ピンが短すぎます。
  • 組み立て:部品の欠落、材料の混合。

3. チェーンの強度向上:新しい材料と熱処理方法をテストすることにより、チェーンの強度を強めます。

4. 新製品の開発:新しいチェーンの強度をテストして、関連する要件を満たしているかどうかを確認します。


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