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チェーンの適用温度


チェーンは、推奨される適用温度を超える環境にさらされた場合、様々な問題が発生する可能性があります。
例えば、強度低下、摩損の増加、変形、潤滑性能の喪失、チェーン部品の潜在的な故障等です。


チェーンを高温下で使用する問題

  1. 熱膨張変形によるサビ・変形、緩み、スプロケットの嵌合の問題。
  2. 酸化層が形成されることでサビ・変形が発生し、摩損が加速します。
  3. 潤滑油の高温による変質または炭化による潤滑の異常。
    潤滑油の主な成分は炭化水素化合物のため、高温にさらされると重滑油が炭化して炭素が堆積し、潤滑機能が失われます(下図参照)。

  4. (炭素鋼チェーン)硬度低下により摩損が増加し、強度が低下します。
    高温のアニール効果により、チェーン部品の硬度を低下させます。
    硬度が低下すると、それに伴って耐摩耗性と強度も低下します。


チェーンを低温下で使用する問題

  1. (炭素鋼チェーン)低温脆弱性により疲労強度が低下します。
  2. 潤滑油の低温・効果喪失または凝固によるサビ・変形。
  3. 霜、雪の凍結によるサビ・変形。
  4. 低温収縮はチェーンを縮ませ、チェーンの張り、スプロケットの嵌合の問題を招きます。


チェーンの推奨適用温度

推奨されるMCCチェーンの環境適用温度は以下のとおりです。
推奨適用温度下で使用しない場合、常にチェーンを交換しなければならなくなる可能性があります。
どうしても適用温度を超える状況でチェーンを使用しなければならない場合は、耐用年数を可能な限り伸ばすため、特殊な高(低)温オイルを使用する必要があります。

-40C° ~ 400°C

チェーン材質

 環境適用温度
(推奨)

最低及び最高温度

(許容荷重が下がる場合があることに注意)

炭素鋼チェーン

-10°C ~ 150°C

最低温度:-40℃
最高温度:250°C

ステンレスチェーン


適用環境温度を超えた状態で使用すると、炭素鋼チェーンとステンレスチェーンの許容荷重もそれに伴って低下します。
また炭素鋼チェーンの低下の割合は、チェーンの寸法によって影響が異なります。


炭素鋼チェーンの温度と許容荷重の関係


使用環境温度

許容荷重(%

使用不可

100%

75%

50%

使用不可

ANSI 60以下

ANSI 80以上

2ピッチチェーン

- 40°C以下

-30°C ~ -40°C

使用不可

25%

使用不可

-20°C ~ -30°C

25%

33%

25%

-10°C ~ -20°C

33%

50%

33%

-10°C ~ +150°C

150°C ~ 200°C

200°C ~ 250°C

250℃を上回る

注:高温下では必ず高温用潤滑油を使用しなければなりません





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