ローラーチェーン交換のタイミング
ローラーチェーンは、バイク、自転車、工業機械等の様々な機械システムにおいて使用される一般的な部品です。
ローラーチェーンに摩損や損傷の兆候が現れた時は交換する必要があります。
ローラーチェーン交換の一般的な兆候
1. チェーンが伸び過ぎている
ローラーチェーンは、ピンとブッシュの摩損により徐々に長くなります。
通常はノギス(CALIPER)を使用してチェーンが過度に伸びていないか(摩損していないか)測定します。
測定した伸び値が0.8~1.5%を上回る場合、チェーンを交換すべき明らかな兆候が現れています。
伸び値が基準を超えている他、長すぎるチェーンを引き続き使用すると、性能不良、騒音、振動、ひいてはトランスミッションシステムの損傷を引き起こす場合があります。
2. 目視可能な摩損
ローラー、ブッシュ、ピンに摩損がないか検査します。
ローラー外径の顕著なすり減りや割れ、ブッシュの明らかな摩損、あるいはブッシュの緩みは、チェーンの摩損を示す明らかな兆候ですので、交換が必要です。
3. 腐食
湿度が高く、腐食性の環境にさらされるチェーンは、さびや腐食が生じる可能性があります。
表面の腐食は通常はクリーニングまたは潤滑をすることができますが、部品内部まで腐食した場合はチェーンの停止や強度低下を招くため、交換が必要となる場合があります。
4. スプロケットの損傷
スプロケットに過度の摩損または損傷が見られた場合、チェーンもすでに摩損している可能性があります。
このような場合は、正確な噛み合いや耐用年数を確保するため、チェーンとスプロケットを同時に交換することをお勧めします。
5. 過度な騒音と振動
チェーンの作動時に異常な騒音や振動が生じる場合は、チェーンまたはスプロケットの摩損の兆候かもしれません。
このような問題はチェーンとスプロケットを交換することで解消できる場合があります。
6. 頻繁な破断
チェーンが頻繁に破断する、または流れの悪い「引っかかり」の状態が生じている場合、チェーンに過度の負荷がかかっている可能性があります。
チェーンの強度が設備の要求を満たしているかを改めて確認または計算することをお勧めします。
必要に応じて強度のより高いチェーンに交換することは安全性と信頼性においてきわめて重要です。
7. 張力の喪失(チェーンの緩み)
正確な調整を行ってもチェーンの張力が失われ、緩みの現象が頻繁に発生する場合、摩損が原因である可能性があります。
チェーンの交換はチェーンの正確な張力の維持に有益となります。
ローラーチェーン交換時の注意事項
新しいチェーンと古いチェーンを混ぜて使用せず、チェーンとスプロケットを一緒に交換することをお勧めします。
不適切な交換は、不均等な摩損や作動の不調、お使いの設備の損傷といった問題を引き起こす場合があります。
また非常に重要なこととして、チェーンの伸びが3%を超えた場合は使用を停止します。
過度の伸びは噛み合いの外れ(chain does not engage the sprocket)、チェーンの強度低下、ひいてはチェーンの破断、設備の損傷や危険な状況を引き起こす場合があります。
チェーンの伸びを定期的に測定し、摩耗限度に達した場合は交換してください。
お使いのローラーチェーンを定期的にメンテナンス・検査することで、問題を早期に発見できます。
この他、チェーンの耐用年数を延ばしてお使いのシステムの信頼性を確保するため、品質の高い交換チェーンを使用して十分な潤滑を維持し、さらに正確な張力と位置合わせを確実に行ってください。