ローラーチェーンの検査方法
次のローラーチェーンチェックリストで、ローラーチェーンの摩耗原因と推奨対策を見つけましょう。
チェックリスト
運転中の騒音や振動
検査方法/異常状態: ローラーチェーン運転中に異常な騒音や振動が発生した。
お勧めの対策: チェーンの張力、タイトネス、摩耗具合をチェックし、チェーンが他の机械と接触していないか確認します。
チェーンのタイトネス
検査方法/異常状態: スプロケットを回転させてチェーンの片方を張り、反対側を手で振ってチェーンを緩め、図S-S’の間の移動量で判明しました。
- スプロケットの中心線と水平面の角度が45度以下の場合、図S-S’の移動量は軸間距離(A—B)の2%~6%になります。
- スプロケットの中心線と水平面の角度が45度以上の場合、図S-S’の移動量は軸間距離(A—B)の1%~3%になります。
- 以下の場合では、S-S’の移動量は軸間距離(A—B)の1%~3%です。
- 軸間距離が1 m以上。
- 負荷が重く、頻繁に起動する。
- チェーンの回転方向が 時に変更する。
お勧めの対策: 正しいタイトネスに調整するか、間車で調整します。
ローラーチェーンの潤滑
検査方法/異常状態: チェーンの外観やリンクに十分なオイルがあるかどうかを目視で確認します。リンクの間に黒や錆色の鉄粉が滲んでいる場合は、リンク内の潤滑油が不足していることを示します。
お勧めの対策: 潤滑油を補給し、チェーンの摩耗、タイトリンク、ローラー、ピンの回転などを検査し、必要に応じてチェーンを交換します。
ローラーチェーンのローラー
検査方法/異常状態: ローラを手で回し、自由に動かせるかどうかを確認します。目視でローラが破損、ひび割れ、摩耗がないか確認します。
お勧めの対策: 潤滑の状態をチェックし、必要に応じてオイルを添加してください。ローラーが破損し、ひび割れている場合は、チェーンを交換する必要があります。
チェーンの摩耗検査
検査方法/異常状態: チェーンを使うと、ピンとブッシュが摩擦して摩耗し、チェーンの長さが伸び、伸び量を測ることで、チェーンが耐用年数に達しているかどうかを知ることができます。
チェーン伸びの量測方法:
チェーンを伸ばし、力を加えてチェーンリンクの緩みをなくします。
下図のように、ノギスで6〜10リンクの長さを測定します。
次の表に示すように、チェーン基準摩耗率は、大きなスプロケットの歯の数によって異なってています。
- 60歯数以下:1.5%
- 61~80歯数:1.2%
- 81~100歯数:1.0%
- 101~110歯数:0.8%
お勧めの対策: 摩耗が限界を超える場合は、チェーンを交換してください。
チェーンの屈曲が悪い(硬直)
検査方法/異常状態: チェーンリンクを手で回して、自由に回しているかどうか、引っ掛かったり、うまく回らなかったりすると、硬直の現象があることになります。
お勧めの対策:
- チェーンに汚れや異物が付着している場合は、きれいにしてください。
- チェーンが摩耗していないか確認してください。
- 給油状態を確認し、必要に応じてオイルを添加してください。
- チェーンを再給油しても改善が見られない場合は、チェーンを交換してください。
回転したピン
検査方法/異常状態: ピンリベットの方向を目視で観察し、回転があるかどうかを確認してください。
お勧めの対策:チェーンが過負荷になっていないか、潤滑不足していないか確認してください。ピンが回転する場合は、チェーンを交換してください。
伸びたチェーンプレートの穴
検査方法/異常状態: チェーンプレートの穴が伸びていないか(楕円形)目視で確認してください。
お勧めの対策:
- チェーンが過負荷になっていないか確認してください。
- チェーンが過負荷の場合は、より大きなサイズのチェーンを交換してください。
ひび割れたチェーンプレート
検査方法/異常状態: プレートにひび割れや破損がないか目視で確認してください。
お勧めの対策:
- チェーンが過負荷になっていないか確認してください。
- チェーンが過負荷の場合は、より大きなサイズのチェーンを交換してください。
- チェーンの使用環境で腐食性や化学物質に触れていないか確認してください。
- 腐食性や化学物質に接触した場合は、耐環境チェーンを交換してください。
チェーンプレートの摩耗
検査方法/異常状態: チェーンプレートの幅Hを確認してください。摩耗量は幅Hの5%を超えてはなりません(チェーンの強度に影響する)。
推奨の対策:
- チェーンのレールまたは摩擦保護のカバーを取り付けます。
- 摩耗が図示Hの5%を超える場合は、チェーンを交換してください。
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