防錆チェーンの試験基準:塩水噴霧試験
|チェーンを塩水噴霧試験する必要があるのはなぜですか?
炭素鋼ローラーチェーンは強度と耐摩耗性に優れていますが、使用環境による錆や腐食の問題が弱点となることがよくあります。腐食のほとんどは大気環境で発生し、一番破壊性あるのは塩分のある腐食です。
「塩霧」とは、塩化物を含む大気を指し、起源は海と陸の塩分地域からです。
金属防食技術の進歩に伴い、NPニッケルメッキ、MZP亜鉛メッキ、GN亜鉛メッキニッケル、CRFチェーンなど、さまざまな防錆コーティングチェーンも導入しています。
防錆コーティングの能力を判断するためには、公正で自然環境の腐食状態に近い試験方法が必要です。
塩水噴霧腐食は環境における腐食の最も一般的な原因であるため、科学者は「塩水噴霧試験装置」によって生成された「塩水噴霧環境条件の人工シミュレーション」を使用する塩水噴霧試験(Salt Spray Test、SST、塩水噴霧試験と呼ばれる)を開発しました。耐食性の環境試験を評価するために、塩水噴霧試験は現在、最も普及している試験方法です。
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|塩水噴霧試験の基準
塩水噴霧試験基準は、温度、湿度、塩(塩化ナトリウムNaCl)溶液濃度、酸塩基値(PH値)などの塩水噴霧試験の条件を規定することです。また、塩水噴霧試験機の性能に関する技術的要件も提案しています。
塩水噴霧試験の基準については業界でよく採用されているのはASTMB117とISO9227ですが、当社はASTMB117規格を採用しています。
ASTM B117は、米国材料試験協会によって開発されまして、塩水噴霧試験の最も初期の規格です。1919年以来、米国国立標準局が推進し、1962年から標準になりました、現在最も広く使用されている標準です。
ISO 9227は、国際標準化機構によって開発された塩水噴霧試験規格です。試験方法はASTM B117とは少し異なり、ヨーロッパ諸国で一般的に使用されています。
両方の差異は下記の通りです。
ASTM B117 | ISO 9227 | |
塩水の密度 g/cm3 | 1.0255-1.0400@25°C | 1.029-1.036@25°C |
1Lに必要なNaClの質量 | 53 ± 10.6 g | 50 ± 5 g |
電気伝導性 | MAX 5.0 µS/cm at 25°C | MAX 20 µS/cm at 25 °C ± 2 °C |
塩の中不純物の制限 | 總雜質≦0.3% ハロゲン化物(臭化物、フッ化物、ヨウ化物)≦0.1% 銅≦0.3ppm 固結防止剤なし | 總雜質≦0.5% 銅+ニッケル+鉛≦0.005%(50ppm) ヨウ化ナトリウム(Sodiumodide)≦0.1% 固結防止剤なし |
試験片の吊り下げ角度 | 15-30° | 15-25° |
塩濃度 | 5% | |
pHの範囲 | 6.5-7.2 | |
試驗の温度 | 35 +/- 2℃ | |
霧化と霧の量 | 面積80 cm2のカップでは、1時間あたり1.0〜2.0mLの溶液が収集されます |
| 塩水噴霧試験法の紹介
1. 塩水噴霧試験機の写真:
2. 塩水噴霧試験の原理:
塩水噴霧試験装置は「タワーエアフロースプレー装置」として構成されています。 スプレーノズルは「ベルヌーイの定理Bernoulli's principle」を採用し、外部の空気源から圧縮空気を供給します。ノズルからの噴霧によって生成される高速気流は、サイフォンを形成し、アトマイザーを介して塩溶液をチャンバーに引き込みます。 噴霧された塩水噴霧が上向きに噴霧され、箱に充填されます。
|塩水噴霧試験結果の例
※ニッケルメッキコーティングの試験結果
|塩水噴霧試験の用途と利点
1.防錆コーティングの品質を確保:塩水噴霧試験は、防錆性能をテストして、製品の防錆性能が標準に到達できることを確認するために使用されます。
2.防錆性能を向上させる:防錆コーティングを改善するときは、塩水噴霧を利用して最適なプロセスを見つけます。
3.新しいコーティングの開発:防錆技術は日々変化しており、新しい防錆製品は塩水噴霧試験によって開発されています。
4.チェーンオイルの防錆性を確認します。