ローラーチェーンの耐摩耗試験方法
チェーンは通常の使用やメンテナンス状態では、摩耗量で寿命が測られますが、品質の悪いチェーンは、頻繁にチェーンの張り具合を調整したり、新しいチェーンに交換したりする必要があり、使用者に迷惑をかけたり、コストが高くなります。
耐摩耗性もチェーンの重要な品質特性の一つです。
| チェーンの耐摩耗性に関する要素:
- チェーン部品の材質:チェーンのピン/ブッシュ/ローラーなどは、運転時に互いに摩耗します。鋼材の優劣では、チェーンの耐摩耗性を決まります。、耐摩耗性は、合金鋼は 炭素鋼より優れて 浸炭鋼は調質鋼よりも優れています。
- 熱処理技術:熱処理の硬さは耐摩耗性に正比例しますが、硬さが高すぎると引張強度や疲労強度に影響するので 硬度だけを上げるのは、部品が脆く、逆にチェーン引張強度が低下する場合があります。 優れた熱処理技術が必要硬度と耐摩耗性を向上させながら、高レベルの引張強度と疲労強度を維持することができます。
- 部品と組み立ての精度:優れた部品と組み立て精度により、各チェーンのピッチを一致させ、チェーンとスプロケットの運転をスムーズにし、運転騒音と振動を低減し、チェーン摩耗を低減します。
- チェーンのプレ・ストレッチ処理:正しいプレ・ストレッチ処理によりチェーンの初期摩耗が減少し、チェーン疲労強度が向上します。
- チェーンとスプロケットの取り付け:スプロケットを配置する時は平行に偏らないようにして、取り付けの過程でチェーンをねじ曲げないで、そしてチェーンの適切な緩み度を維持して、異常な摩耗を避けます。
- メンテナンス:正しいメンテナンスと良質の潤滑油でチェーンの寿命を延ばすことができます。
| チェーン耐摩耗の試験方法
1. チェーン耐摩耗試験の設備:
現在、チェーンの耐摩耗試験の国際標准は今のところありません。各メーカーは通常、チェーンの実際の運転を模擬する方式で、耐摩耗試験を行います。普通は、二つのスプロケットで そのチェーンを運転させ、 アクティブ・スプロケットが動力と回転速度を制御し、パッシブ・スプロケットがチェーンにかかる負荷を気圧または油圧シリンダーで制御します。
次の写真は、当社の摩耗試験機の構造を示したもので、左側がアクティブ・スプロケット、右側がパッシブ・スプロケットと張力をかけるための気圧シリンダーです。
2. チェーン耐摩耗試験の条件:
チェーンの耐摩耗試験の国際標准がないため、チェーンの耐摩耗試験の条件は各メーカーが自ら設定します。。
例えば、以下は当社の428 hオーリングチェーンの耐摩耗試験条件です。
チェーンの長さ:130 Links
チェーンの荷重:70 kgf
スプロケット: アクティブ・スプロケット15 T; パッシブ・スプロケット41 T
チェーンの速度:457.2 m/分(アクティブ・スプロケット15T*2400rpm、バイクの速度80km/hrに相当)
3.チェーン摩耗量の測定:
チェーンが磨耗するとチェーンの長さが伸びるため、試験前にチェーンの初期長さを測定し、試験期間や走行距離(例えば、20hrsまたは1000km)ごとにチェーン長さの変化を測定し、チェーン摩耗量が1.5%以上になるまで試験をします。
(注:チェーン摩摩耗が1.5%に達した后、チェーンとスプロケットが うまくかみ合いできなくなり、跳歯現象が発生する可能性があり、チェーンが切れたり、スプロケットが破損したりする)。
チェーン摩耗量の計算式:
[(チェーン試験后の長さ-チェーン初期長さ)/チェーン初期長さ]*100%
例:
テスト前チェーンの初期長さ:1017.47mm/80 l
5000kmテスト後にの長さ:1017.83mm/80 l
チェーン摩耗量=(1017.83-1017.47)/1017.47)*100%=0.035%
10000kmテスト後にの長さ:1019.14mm/80 l
チェーン摩耗量=(1019.14-1017.47)/1017.47)*100%=0.164%
4.チェーン摩耗試験の曲線図:
耐摩耗試験の各段階のチェーン摩耗量と試験時間の関係を、耐摩耗試験曲線図にします。
例1:当社の428Hオーリングの摩耗試験曲線図。
| 摩耗試験の用途と利点
- チェーン品質の改善:熱処理技術の向上、新素材の使用、新表面処理技術などにより、新技術が耐摩耗性の向上に有効であることを摩耗試験で確認します。
- 新製品の開発:新開発チェーンの耐摩耗性が期待に合っているかどうかをテストします。
- 新しいオイルの開発:新しいオイルの耐摩耗性能が当社の要求を満たしているかどうかをテストします。
- 競合他社の製品と比較して、お客様の信頼度を高めます。
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