ローラーチェーンとは？

ローラーチェーンの構造

これらのパーツが内リンクと外リンクを構成し、内・外リンクを交互に接続することでローラーチェーンが出来上がります。

• 内リンク：2つのブッシュが内プレートに圧入され、自由に回転するローラーが各ブッシュに1つずつ付いています。
  
• 外リンク：2本のピンが2枚の外プレートの間に圧入されています。
  

強度確保のため、ピンは通常はリベット型ですが、お客様が分解しやすいように割ピン型も提供可能です。

ローラーチェーンの継手リンク

ローラーチェーンの継手リンクは、取り付け時にチェーンの両端を連結し、設備上で連続的に運転できるようにしたり、チェーンと他のパーツを連結したりするためのものです。

継手リンクは通常の継手リンクとオフセットリンクの2種類に分かれます。2種類の継手リンクの違いは以下のとおりです。

• 継手リンク
  ローラーチェーンのリンクの総数は通常は奇数+1で、継手リンクはリンクが偶数になります。
  継手リンクには、クリップ型と割ピン型の2種類のタイプがあります。
  クリップ型は小型のローラーチェーンに使用されます。
  割ピン型は中・大型のローラーチェーンに使用されます。
  

• オフセットリンク
  チェーンのリンクの総数を奇数にしたい場合は、オフセットリンクが必要です。
  オフセットリンクにはシングルピッチと2ピッチの2種類のタイプがあります。
  

ローラーチェーンのシリーズ紹介

上記のように、ローラーチェーンは各種の使用環境に幅広く利用されるため、国際標準で規格を定めることで、スプロケットとの整合性を確保することができます。ローラーチェーンは以下のとおり、2種類のタイプがあります。

• 米国規格タイプ：米国規格のローラーチェーンの型番は、米国国家規格協会（The American National Standards Institute、略称ANSI）によって定められているため、ANSIチェーンと表記される場合もあります。ローラーチェーンとそれに合わせるスプロケットは、いずれもANSI B29.1の標準に適合している必要があります。
  ＞米国規格ローラーチェーンの寸法（PDF）
  
• 欧州規格タイプ：欧州規格のローラーチェーンの型番は、欧州標準化委員会（European standards committees）によって定められ、ISO 606の標準を遵守しています。
  ＞欧州規格ローラーチェーンの寸法（PDF）
  

ローラーチェーンの型番の意味

以下のように、型番から規格情報を識別することが可能です。

米国規格タイプ

• チェーンピッチ：米国規格のチェーンは1/8インチを単位として表すため、型番の最初の数字は1/8インチの分子を表します。
  例えば、ANSI 40は、ピッチが4/8インチ（=1/2インチ）であることを表します。
  より大きな規格のチェーンの型番には3文字の数字が使われます。例えば、ANSI 120はピッチが12/8インチ（=1-1/2インチ）であることを表します。
  
• 規格
• 型番の最後の数字が0のものは標準チェーンです。型番の範囲はANSI 40からANSI 240です。
• 型番の最後の数字が5のものは、チェーンにローラーがなく、ブッシュのみ付いています。例：ANSI 25、ANSI 35。
• 型番の最後の数字が1のものは軽量型チェーンです。例：ANSI 41はANSI 40の軽量型タイプです。

欧州規格タイプ

• チェーンピッチ：欧州規格のチェーンは1/16インチを単位として表すため、型番の数字は1/16インチの分子を表します。例えば、08Bはピッチが8/16インチ（=1/2インチ）であり、20Bは20/16インチ（=1-1/4インチ）であることを表します。
  

強力型ローラーチェーン

チェーンの型番は、例えばANSI 100HやBS 12BHのようにアルファベットの「H」を付けて区別します。

＞米国規格強化チェーンについてさらに詳しく

＞欧州規格強化チェーンについてさらに詳しく

小判型チェーン

米国規格と欧州規格のチェーンにはいずれも小判型チェーンがあり、標準型との違いはプレートがストレートでくびれがない形状になっています。チェーンの型番は、例えばANSI 60FやBS 12BFのようにアルファベットの「F」を付けて区別します。

＞米国規格小判型チェーンについてさらに詳しく

＞欧州規格小判型チェーンについてさらに詳しく

ローラーチェーンの列数